マルチコプターとは、どんな機体のことでしょうか?
マルチコプターとは、複数のプロペラ(ローター)を回して浮かび、飛ぶ機体のことです。
この記事では、マルチコプターの仕組みと特徴を、初心者向けにやさしく整理します。
※これからドローンを始めたい初心者の方向けの記事です。
この記事でわかること
- マルチコプターの意味と、ヘリコプターとの違い
- マルチコプターが浮かんで進む仕組み
- メリットとデメリット、プロペラの数による違い
結論:マルチコプターは「プロペラが複数ある」ドローン
マルチコプターは、複数のプロペラで浮かんで飛ぶ機体です。カメラ付きの機体など、一般に「ドローン」と呼ばれる機体の多くが、このタイプです。ドローンそのものについては、ドローンとは?意味と仕組みを初心者向けに解説をご覧ください。
マルチコプターの意味
「マルチ」は「複数の」という意味です。「コプター」は、ヘリコプターと同じように、回転する羽根(回転翼)で飛ぶ機体を表す言葉です。プロペラは「ローター」とも呼ばれるため、「マルチローター」と呼ばれることもあります。
プロペラの数は、4つが最も一般的で、6つや8つの機体もあります。数によって、呼び方が変わります。
- 4つ:クアッドコプター
- 6つ:ヘキサコプター
- 8つ:オクタコプター
ヘリコプターとの違い
マルチコプターは、ヘリコプターと同じように回転する羽根で飛びますが、飛ばし方の仕組みが違います。
| 比べるところ | マルチコプター | 一般的なヘリコプター |
|---|---|---|
| ローターの数 | 複数 | メインローターが1つ |
| 羽根の角度 | 固定(変えない) | 変えられる |
| 動かし方 | プロペラごとの回転の速さを変える | 羽根の角度を変えて、揚力や向きを調整する |
マルチコプターは、羽根の角度を変える仕組みを使わないため、ヘリコプターより構造が単純になりやすい、といわれています。
マルチコプターが飛ぶ仕組み
- 浮かぶ:すべてのプロペラが同じ速さで回ると、機体は空中にとどまる(ホバリングする)ための力を得ます。回転を速くすれば上昇し、遅くすれば下降します。
- 進む:たとえば前に進むときは、前側のプロペラの力を弱め、後ろ側のプロペラの力を強めます。すると、機体が前にかたむき、かたむいた方向へ進みます。右・左・後ろへも、同じ考え方で動きます。
- 向きを変える:プロペラには、時計回りに回るものと、反時計回りに回るものがあります。この回転の強さの組み合わせで、機体の向きも変わります。
- 安定させる:機体のかたむきは、加速度センサーやジャイロなどで測り、制御装置(フライトコントローラー)が、各プロペラの回転を自動で細かく調整します。位置を測るには、衛星からの信号(GNSS)も使われます。
位置を測る仕組みは、GNSSとは?で説明しています。操縦の基本は、ドローンの基本操作を解説をご覧ください。
マルチコプターの特徴:メリットとデメリット
メリット
- 空中で止まれる:ホバリングができるため、景色を撮るときなどに向いています。
- 垂直に離着陸できる:滑走路がなくても、その場から飛び立ち、降りられます。
- 扱いやすくなった:センサーによる姿勢の制御などの技術が発達し、従来のラジコンヘリなどより、初心者にも扱いやすい機体として広まった、と説明する資料があります。
デメリット
飛行機のような形の「固定翼」の機体と比べると、次のような弱点があります。
- 飛行時間が短い:バッテリーで飛ぶため、長くは飛べません。
- 風に弱い:風が強い日は、飛ばす判断に注意が必要です。
- 飛行速度が遅い:広い範囲を速く移動するのは、あまり得意ではありません。
| 比べるところ | マルチコプター | 固定翼(飛行機型) |
|---|---|---|
| 離着陸 | 垂直に離着陸できる | 滑走路や発射装置が必要になることが多い |
| 飛行時間 | 短い傾向 | 長い傾向 |
| 風 | 弱い傾向 | 強い傾向 |
| 飛行速度 | 遅い傾向 | 速い傾向 |
飛行時間の短さは、予備のバッテリーで補えます。予備バッテリーは必要?で考え方を紹介します。風の日の判断は、風がある日はドローンを飛ばせる?をご覧ください。
プロペラの数による違い
プロペラの数が多いほど、重い荷物を載せやすく、安定して飛びやすくなります。一方で、価格が高くなり、落ちたときの危険も大きくなります。なお、プロペラが4つのクアッドコプターが、最も一般的です。
機体が運べる荷物や機器の重さは、「ペイロード」と呼ばれます。くわしくは、ペイロードとは?で説明しています。機体の選び方は、トイドローンと空撮ドローンの違いと、機材の選び方ガイドをご覧ください。
マルチコプターと法律
マルチコプターも、重さ(機体本体とバッテリーの合計)が100g以上であれば、航空法の「無人航空機」にあたります。国土交通省は、無人航空機の例として、ドローン(マルチコプター)、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプターを挙げています。
くわしくは、無人航空機とは?ドローンとの違いを解説と、ドローンを飛ばすには登録が必要?機体登録の基本をご覧ください。
マルチコプターについてのよくある疑問
Q. マルチコプターとドローンは、同じものですか?
A. 日常では、ほぼ同じ意味で使われることが多いです。正確には、ドローンは「人が乗らずに飛ぶ機体」を広く指す言葉で、マルチコプターは、その中の「プロペラが複数あるタイプ」です。飛行機のような形の、固定翼型のドローンもあります。
Q. プロペラの数は、多いほどよいですか?
A. 数が多いほど、重い荷物を載せやすく、安定しやすくなりますが、価格が高くなり、落ちたときの危険も大きくなります。使い道に合わせて選ぶことが大切です。
まとめ
- マルチコプターは、複数のプロペラで浮かんで飛ぶ機体で、一般的なドローンの多くがこのタイプです。
- プロペラごとの回転の速さを変えて、浮かんだり、進んだり、向きを変えたりします。
- 空中で止まれて、垂直に離着陸できる一方、飛行時間が短く、風に弱い傾向があります。
- 重さが100g以上のマルチコプターは、航空法の「無人航空機」にあたります。
参照元(法律に関する部分):国土交通省「飛行ルール(航空法第11章)の対象となる機体」(https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000040.html)
最終確認日:2026年10月13日
※法律・制度は変更されることがあります。飛ばす前には、最新の公式情報を確認してください。