人口集中地区(DID)とは、ドローンの飛行では、どんな場所のことでしょうか?
人口集中地区(DID)とは、国勢調査にもとづいて決められる、人口が集中している地域のことです。ドローンでは、その上空で飛ばすために、あらかじめ許可が必要です。
この記事では、人口集中地区の意味と、飛ばす場所が人口集中地区かどうかを確認する方法を、国土交通省の情報をもとに、初心者向けに整理します。
※これからドローンを始めたい初心者の方向けの記事です。
この記事でわかること
- 人口集中地区(DID)の意味と、ドローンで許可が必要な理由
- 許可が不要になる区域と、注意したい点
- 飛ばす場所が人口集中地区かを、地図で確認する方法
結論:人口集中地区の上空は、許可が必要。飛ばす前に地図で確認する
人口集中地区の上空で、無人航空機を飛ばすには、あらかじめ国土交通大臣の許可が必要です。飛ばす場所が人口集中地区かどうかは、国土地理院の「地理院地図」や、e-Statの「jSTAT MAP」で確認できます。
人口集中地区は、航空法の「飛行禁止空域」の1つです。4つの空域の全体像は、ドローンの飛行禁止空域とは?確認方法を解説をご覧ください。
人口集中地区(DID)とは?
人口集中地区は、国勢調査で使われる、統計上の地域の区分です。英語の「Densely Inhabited District」の頭文字をとって、「DID」とも呼ばれます。市街地のような、人口の多い地域を表すために、作られました。
人口集中地区は、原則として、次の2つの基準を満たす地域です。
- 人口密度が、1平方キロメートルあたり4,000人以上の区域が、市区町村の中で、互いに隣接している。
- 隣接した区域の人口を合わせると、国勢調査のときに、5,000人以上になる。
人口集中地区は、5年ごとに行われる国勢調査の結果から、一定の基準で設定されます。そのため、数年ごとに、範囲が見直されます。
なぜドローンで、決まりがあるの?
国土交通省は、人口集中地区を、「人や家屋が密集している地域」として、落下した場合に、地上の人などに危害を及ぼすおそれが高い空域としています。そのため、その上空で無人航空機を飛ばす場合には、あらかじめ許可が必要です。
許可が必要な範囲と、注意したい点
- 許可が不要になる区域があります:航空法で許可が必要なのは、人口集中地区から、国土交通大臣が告示で定める区域を除いた地域です。告示で定められている区域は、都市計画法の「工業専用地域」内の区域で、そこを飛ばす場合は、この空域の許可は不要です。
- 緊急用務空域は別です:人口集中地区の飛行許可があっても、緊急用務空域は飛ばせません。飛ばす前に、緊急用務空域に設定されていないか、確認します。
- 無人航空機が対象です:航空法の「無人航空機」は、重さ100g以上の機体です。100g未満の機体には、この人口集中地区のルールは、あてはまりません。ただし、飛ばす場所によっては、ほかの規制があります。
無人航空機については、無人航空機とは?ドローンとの違いを解説と、100g未満のドローンなら何もしなくていい?をご覧ください。
初心者が最初に確認する方法
- 飛ばしたい場所を決める:住所や、地図上の場所を、はっきりさせます。
- 地理院地図で確認する:国土交通省のページに、地理院地図へのリンクがあります。人口集中地区が、地図の上に表示されます。
- jSTAT MAPでも確認する:e-Statの「地理情報システム jSTAT MAP」でも、人口集中地区を確認できます。使い方は、総務省統計局が、手順書を公開しています。
- 境界の近くでは、余裕を持つ:国土交通省は、地図の図面には誤差が含まれることがあるとしています。人口集中地区の境界の近くで飛ばす場合は、余裕を持って場所を選びましょう。
- 迷ったら、問い合わせる:人口集中地区にあたるか分からないときは、国土交通省の窓口や、飛行エリアを管轄する地方航空局に、確認してください。
確認する地図が、どの年の国勢調査にもとづくものか、あわせて見ておきましょう。人口集中地区は、5年ごとに見直されるためです。
人口集中地区で飛ばしたいとき
人口集中地区の上空で飛ばすには、あらかじめ、国土交通大臣の許可を受ける必要があります。申請先は、飛行エリアを管轄する、地方航空局や空港事務所です。許可の申請については、ドローンの飛行許可・承認とは?初心者に必要?をご覧ください。
国家資格などがあると、許可の手続きが変わる場合があります。くわしくは、ドローンの国家資格があると飛行許可・承認は不要?をご覧ください。初心者は、まず、人口集中地区を避けて、飛ばせる場所で練習するのが安全です。
人口集中地区以外にも、確認したいこと
航空法の飛行禁止空域は、人口集中地区のほかに、「空港等の周辺」「緊急用務空域」「地表または水面から150m以上の空域」があります。また、航空法のほかに、小型無人機等飛行禁止法や、自治体の条例、公園などの管理者のルールも確認が必要です。
場所選びの全体は、ドローンはどこで飛ばせる?場所選びの基本、公園・河川・海でドローンは飛ばせる?場所別の考え方、私有地・自宅の庭・マンションでドローンは飛ばせる?をご覧ください。
人口集中地区についてのよくある疑問
Q. 自宅の庭で飛ばす場合も、確認が必要ですか?
A. 必要です。自宅が人口集中地区にあれば、その上空で飛ばすことになるため、許可が必要になります。私有地かどうかとは、別に確認します。
Q. 人口集中地区では、まったく飛ばせませんか?
A. いいえ。あらかじめ許可を受ければ、飛ばせます。ただし、緊急用務空域は、許可があっても飛ばせません。
Q. 人口集中地区でなければ、どこでも飛ばせますか?
A. いいえ。空港等の周辺や、150m以上の空域、夜間飛行などの飛行の方法、条例などのルールがあります。人口集中地区は、確認することの1つです。
Q. 人口集中地区の範囲は、ずっと同じですか?
A. 変わることがあります。5年ごとの国勢調査の結果から、設定されるためです。確認する地図が、新しい情報かを、見ておきましょう。
まとめ
- 人口集中地区(DID)は、国勢調査で、人口密度が高い区域が隣接し、合計人口が5,000人以上になる地域です。
- 人口集中地区の上空で、無人航空機を飛ばすには、あらかじめ国土交通大臣の許可が必要です。工業専用地域などの告示区域は、この許可が不要です。
- 飛ばす場所は、地理院地図やjSTAT MAPで確認します。境界の近くでは、余裕を持ちます。
- 緊急用務空域は、許可があっても飛ばせません。ほかの空域や、条例も確認します。
参照元:国土交通省「無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法」(https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000041.html)
参考:埼玉県「人口集中地区(DID)とは何ですか」(https://www.pref.saitama.lg.jp/a0206/toukeifaq/q3-1.html)、宇部市「人口集中地区(DID)」(https://www.city.ube.yamaguchi.jp/shisei/toukei/kokuseichousa/1007583.html)
最終確認日:2026年10月15日
※法律・制度や、地図のデータは変更されることがあります。飛ばす前には、最新の公式情報を確認してください。